シス・カンパニー公演 声
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2013年12/26(木)閉幕!
ご来場ありがとうございました。
 あるときは日本の古き良き伝統を体現し、あるときは画面から弾け出んばかりのコメディエンヌぶりを発揮。そして、あるときは最先端モードを身にまとい、孤高の輝きを放つ女優・鈴木京香。そんな彼女を「ミューズ」に、幾度となくタッグを組んできたのが、劇作・演出・映画監督等、快進撃を続ける三谷幸喜です。これまで2人が組んだ作品は、それぞれの長いキャリアの中でも重要なエポックとなっていますが、意外にも、舞台での顔合わせは、鈴木京香の初舞台「巌流島」(1996/脚本)のみ。 その後、鈴木京香が三谷演出舞台に出演する機会は、残念ながらありませんでした。
 この度、
三谷幸喜×鈴木京香 の舞台でのタッグが久々に実現します! 2人が1対1でじっくりと向き合う劇世界は、20世紀を代表するマルチ・アーティスト:ジャン・コクトーが遺した一人芝居 『声』。 一人の男へのかなわぬ愛を、時に狂おしく、時に微笑みさえ湛えながら、電話に語り続ける衝撃の独白劇に、三谷×京香ならではのアプローチで挑みます。 会場には、コンテンポラリーアートと呼応し合いながら日本のカルチャーシーンをリードする「スパイラルホール」をセレクト。 没後50年を経た今も、常にクリエイティブ・アイコンであり続けているコクトーの戯曲を取り上げる上でも、これ以上相応しい環境はありません。
また、今回の舞台美術には、昨今は広告業界にとどまらず、幅広いクリエイションを展開している 
森本千絵 が初めてシス・カンパニー公演に登場する他、シス公演ではお馴染みのトップ・クリエーター=衣裳デザイン:伊藤佐智子、照明:小川幾雄、音響:井上正弘、そして、翻訳:徐 賀世子 らの充実のスタッフワークも光ります。

芸能活動25年目を迎え、ますます充実した女優活動を送る
鈴木京香
自作のみならず、既存の作品にも果敢に挑む
三谷幸喜
そして、充実のクリエイティブ・チームが変貌自在な多目的空間「スパイラルホール」に集結し、どのような手触りの"ジャン・コクトーの世界"をお届けしようとしているのか・・・。 
2013年のクリスマスウィークならではの、特別な時間をお約束いたします。
同時期にシアタートラムで上演している『グッドバイ』ともども、私たちシス・カンパニーの2013年の集大成ともなる公演です。
是非ご期待ください!


モノローグ劇「声」は、20世紀最大の芸術家で、詩、小説、劇作、評論、映画監 督、脚本、音楽、絵画など、ジャンルを超えた芸術活動を展開したジャン・コクトー が、1930年、フランスの国立劇団コメディ・フランセーズで初演した 作品です。一幕もの、室内のみという舞台設定で、登場人物は女性一人だけ。
「たったひとり、心から血を流すような」極限状況にある女性が、電話の向こう側に いるかつての恋人に、叶わない愛への執着・絶望・悔恨・嫉妬・悲哀を、「電話に語 り続ける声」だけでぶつけていくシンプルかつ劇的な物語です。
この戯曲誕生から80年以上が経過し、ここに登場する「電話線でつながった電話 機」も、「電話交換手」も「混線する電話」も、日常では馴染みが薄くなったシチュ エーションとなりました。
しかし、この80年の間に、通信テクノロジーの発達が恋愛や人間関係を様変わりさ せてしまったとしても、この戯曲が発表当時と変わらず「現代劇」であり続けている のは、「人間の声」そのものが主人公だからこそかもしれません。

 内外問わず、この作品は、これまでも多くの女優たちを魅了してきましたが、日本では、’48年、岩田豊雄演出で杉村春子が演じた文学座公演の記録が残っています。また、面白いところでは、日本のテレビ創生期の’60年、越路吹雪出演、福田陽一郎演出で30分の実験的な単発ドラマとして収録・放映されたそうです。もちろん、有名無名問わず、現在に至るまで、プロアマ問わず多くのカンパニーや女優達が上演してきた名作です。そして、今でも見ることができる映像作品では、イタリア人監督ロベルト・ロッ セーリー二が、後に「バラの刺青」でアカデミー主演女優賞を受賞し たアンナ・マニャー二出演で’48年に発表したオムニバス映画の一編があり、英語版の映像では、‘67年に、イングリッド・バーグマン出演でテレビ映画が製作され、 現在DVD化もされています。 また、映像ではありませんが、フランスの女優シモーヌ・シニョレが自身のアパートで録音した音源が、‘64年にレコードとして発売 されています。(現在は廃盤)

戯曲版初演の28年後、コクトーの親友の一人である作曲家プーランクが作曲・作詞を手掛け、オペラ化。
'59年2月、オペラ=コミック座で、演出・装置:コクトー、指揮:ジョルジュ・プレートル、歌唱:ドニーズ・デュヴァルにより初演。戯曲と同様、1人の女性が電話の相手に心情をぶつける「モノオペラ」は、密やかな囁きから大絶叫まで、受話器に向かってひたする独唱する難曲と言われていますが、多くのソプラノ歌手を魅了し、ジェシー・ノーマンなどが伝説的な名演を残しています。日本では、指揮者:若杉弘が手がけた訳詞で上演されることが多く、やはり人気の演目となっています。

[ お問い合わせ ]
シス・カンパニー (03)5423-5906
番号はお確かめの上、お間違えないようおかけください。