作:北村 想 きたむら・そう

劇作家。戯曲だけでなく、小説、童話、エッセイ、シナリオ、ラジオドラマ、コラムなど、その活動範囲は広い。
劇団「T.P.O師★団」「彗星’86」などを経て、1986年から2003年まで劇団「プロジェクト・ナビ」を主宰。主に、名古屋、大阪を拠点に活動を展開し、96年にはAI・HALL(伊丹市立演劇ホール)で劇作家養成講座「伊丹想流私塾」を開塾。20年以上に渡るこの活動が、関西の若手劇作家に与えた影響は計り知れない。84年に『十一人の少年』で岸田國士戯曲賞、89年『雪をわたって・・・第二稿・月のあかるさ』で紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。2012年にシス・カンパニーにて、現代演劇の伝説的名作『寿歌(ほぎうた)』(79年発表)を上演。それをきっかけに「日本文学シアター」構想が生まれ、翌年、太宰治未完の絶筆作から自由に発想を広げた戯曲『グッドバイ』からシリーズがスタート。『グッドバイ』は、現役の演劇記者がその年に上演されたもっとも優れた新作戯曲を選考する「鶴屋南北戯曲賞」に輝いた。最近の作品には、18年上演『さよならの霧が流れる港町』、『アトリエのある背中』、19年上演『RE:IN 雨のなかへ〜2019年七月五日アパート北村荘103号室の出来事〜』、『A列車で行こう』などがある。12年に戯曲集『寿歌-全四曲-』、13年に演劇論集『恋愛的演劇論』を刊行。