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シス・カンパニー公演 寿歌 |
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“核戦争ですべてが廃墟と化した街に、
リヤカーを引いた旅芸人のゲサクとキョウコがやって来る・・・。 二人の頭上には、まばゆい光を放ちながら核ミサイルが飛び交い、 追いかけてくる低い破裂音が世界の終わりを告げていく・・・。 そこに、どこからともなく、不思議な芸をあやつるナゾの男・ヤスオが現れた。 出会った三人は、あれやこれやの"エエカゲン"な会話を繰り広げながら、 焼き尽くされた滅びの荒野を共に旅することになるのだが・・・・。” ![]()
究極の核戦争後に生き残った男女3人のあてどのない旅・・・。
この「未来とも過去とも知れぬ物語」が誕生したのは1979年のこと。名古屋を拠点としていた劇作家・北村想が、自身の劇団の女優たちのために書き下ろした稽古用台本がその始まりだといいます。喫茶店を兼ねた小さなスペースでの、いわば実験的上演であった初演の評判は、瞬く間に名古屋から東京にも響き渡り、翌'80年春、東京・浅草木馬亭にて東京初演が開幕。絶望的なシチュエーションでありながら、不思議な明るさと無邪気な笑いにも満ちた物語性、それまでの演劇の概念にとらわれない近未来的な設定と詩的メタファーに彩られた独自の言語感覚など、'80年代に加速した「小劇場演劇」の方向性に大きな転換期をもたらしたと言われています。そして、その後の現代演劇の流れを語る上でも欠かせない記念碑的な作品として、初演から30余年を経た現在に至るまで、プロアマ問わず上演が重ねられている、いわば「現代演劇の古典」的な作品なのです。 最近では、その黙示的な側面が驚嘆をもって語られることが多いこの戯曲。確かに、初演から30余年の間に、社会情勢も人々を取り巻く環境も物心ともに地球規模で変容を遂げ、初演当時に寓話的ロマンティシズムさえ感じさせた「無数のミサイルの閃光が地上を照らす光景」が、その後、リアルタイムに茶の間に映し出される日が来るとは誰が想像できたでしょう・・・。そして、ここに描かれた荒地の光景やミサイルの鮮やかな色彩描写に"既視感"を強く抱いてしまう現在。そんな現実とのやりきれない共時性を意識しつつ、どこを目指すでもなく歩み続けるしかない旅路の「果てのなさ」は、「無への絶望」ではなく「無から生まれる希望」に通じるようにも感じられ、3人から強烈に繰り出される他愛なく"ええかげん"な会話や踊りにも、古来より人間の根底にある土着信仰に似た神秘性も感じられます。そして、終幕に導かれるすべてを包み込み浄化していくかのような光景・・・・。 これまで多くの人々の心をつかんできたことに、誰もが納得してしまう名作戯曲なのです。 演出は、近年は演出家としても注目が高く、多くの演劇賞にも輝く 千葉哲也 が担当。今もなお進化し続けるかのように、多くの意味合いを提示し続けるこの名作に対峙します。そして、滅びの荒野を進み行く芸人ゲサクを、2010年『K2』(演出:千葉哲也)以来、ほぼ1年ぶりの舞台出演となる 堤 真一 が演じ、盟友・千葉哲也との3度目の芝居創りに意欲を燃やします。また、ゲサクと共に旅するキョウコには、2007年の初舞台「いのうえ歌舞伎☆號『IZO』」以来4年ぶり2度目の舞台に挑む 戸田恵梨香 が登場。 聖母マリアなのかキリストを慕うマグダラのマリアなのか・・・。 純真無垢と自由奔放さをあわせ持つ女性像に真正面から向き合います。そして、「劇団☆新感線」のみならず、ミュージカルから蜷川シェイクスピアまで幅広く活躍する 橋本じゅん が、 この世界の終末に降りてきた"救世主キリスト"を思わせる謎の男ヤスオとして "降臨"。 男女3人の道行きに微妙なバランスをもたらす存在を担います。 2012年の幕開けを飾る、シス・カンパニー公演「寿歌」にご期待ください。 |
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