シス・カンパニー公演 写楽考
SIS company inc. のプロデュース作品のご紹介
《公演概要》

謎の浮世絵師・写楽を描いた矢代静一の代表作に、
気鋭の演出家・鈴木勝秀と充実のキャスト陣が、大胆かつ斬新に挑む!
カオスと閉塞感に満ちた江戸・寛政の世を舞台に、

        熱き情熱と狂気をはらんだ壮絶な人間模様に迫る意欲作!

  寛政6年(1794年)。 時の老中・田沼意次の腐敗政治に加え、度重なる天変地異や飢饉に、世情不安が広まる中、 東洲斎写楽(とうしゅうさい・しゃらく)と名乗る浮世絵師の錦絵が、またたく間に江戸庶民の心をとらえ、席巻しました。
しかし、歴史に記された彼の活動期間は、ほんの10ヶ月。 
その間に、一気に150点近くの錦絵を創作した後、 「写楽」の名は、忽然と歴史から姿を消してしまいます。
生没年はおろか、本名さえもわからず、残るは独特の力強さを放つ作品のみ・・・・。
果たして、本当にそんな人物が存在していたのか・・・・。
  いつの時代にも、この謎は多くの人々を魅了し、多くの人がさまざまな思いを「写楽」に託してきました。
昭和の現代演劇を代表する劇作家・矢代静一もその一人でした。そして、1971年、「写楽」や「喜多川歌麿」、「十返舎一九」らを題材に自由な発想でスリリングに展開するオリジナル戯曲「写楽考」を発表したのです。
当時の社会は、'70年安保闘争後の混乱や挫折感と高度経済成長の高揚感との狭間・・・。その中で、突破口を模索する人々は、カオスと閉塞感に満ちた時代を舞台にした熱き群像劇に、「合わせ鏡」のように魅了されていきました。
  この現代社会も、陰湿なイジメや自殺、不可解な殺人が頻発し、さながら退廃とカオスが表裏一体をなしていた江戸の世を思わせる様相です。そして、どこか「写楽」の生きた時代を彷彿させるような、目に見えない閉塞感に蝕まれているかようにも感じられます。
そんな今、「写楽」たち、実在の人物をタテ軸に配し、人間の内面に共存する「狂気と聖性」をえぐり出すこの作品の世界に入り込むと、この劇世界には、現代社会の私たちが感応してやまない、不思議なエネルギーが満ち溢れていることに気づかされます。
  この度、私たちシス・カンパニーは、この名作戯曲がもつエネルギーを、2007年の観客に届けるべく、大胆かつ斬新なアプローチを仕かけます! 
 この作品に向き合う<演出家:鈴木勝秀>は、その決意を次のように寄せています。

今回の上演にあたり、私は作品のスピード感を増すために、
著作権者の同意の元に原作を構成し、 一部の役・セリフをカット致しました。
それは、演劇は常に"現在"であるべきだと考える私の方針によるもの であり、
同時に偉大な戯曲はシェイクスピアを例に挙げるまでもなく、
様々な演出・構成を受け入れることができると確信しているからです。鈴木 勝秀

<気鋭:鈴木勝秀><最強キャスト〜堤真一、高橋克実、長塚圭史、キムラ緑子、
七瀬なつみ、西岡馬〜>
が、この名作戯曲への敬意と愛情を込めて創りあげる舞台「写楽考」。
 この新たなる伝説の舞台の誕生に、是非ご期待ください!
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〜ものがたり〜
  時は江戸・天明の世。地獄絵を志す「あの男」と極楽絵を志す貧乏侍の子・勇助は、 江戸八丁堀の八軒長屋で奇妙な共同生活を送っていた。そこに転がり込んで来た世直しを志す浪人・幾五郎。
相次ぐ天災や飢饉で世情は不安ながらも、三人はそれぞれの志を胸に、熱き青春時代を送っていた。
しかし、一人の女の死を境に、三人の人生は大きな運命の渦に巻き込まれていく。
  10年あまりの歳月が過ぎ、寛政の江戸の世では、「喜多川歌麿」が描く浮世絵が一世を風靡していた。
そこに突如、猛烈な勢いで錦絵を発表する正体不明の絵師 「東洲斎写楽」が登場。歌麿をしのぐ注目を集め出した。 
果たして、謎の絵師・写楽とは一体何者なのか? 写楽がその人生に背負った宿命とは?  
写楽を取り巻く人々の運命は?

[ お問い合わせ ]
シス・カンパニー (03)5423-5906
番号はお確かめの上、お間違えないようおかけください。


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