シス・カンパニー公演 トップドッグ/アンダードッグ
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 これまで、「アット・ホーム・アット・ザ・ズー」、「K2」(共に2010年上演)、2012年上演「寿歌」の3作品で、俳優と演出家 として絆を深めてきた堤真一千葉哲也が、本邦初演の2人芝居「TOPDOG/UNDERDOG」で、初めて俳優として激突します。  2人の出会いは、1995年にt.p.t.で上演されたデヴィッド・ルヴォ―演出「チェンジリング」にさかのぼりますが、後に共演し た同じくルヴォ―演出「人形の家」('08年)も含め、役柄上、真っ向から対峙することがなかったことから、いずれ2人でじっく りと組み合いたい、と話し合うようになりました。結果的には、前述のように、演出家としても高い評価を受ける千葉哲也演出 公演が先行する形となりましたが、この度、ついに念願であった2人芝居が実現することとなりました。  今回2人が俳優として向き合う作品は、現代のアメリカ演劇界を牽引する人物と目されている女性作家スーザン-ロリ・パークスが、アフリカ系アメリカ人女性として初のピュリッツアー賞戯曲部門を受賞した出世作「TOPDOG/UNDERDOG」。社会の底 辺で肩を寄せ合い生き抜いてきた2人の黒人兄弟の特殊な絆を、残酷なほど辛辣なユーモアとコミカルでスピーディなリズ ム、そして、ヘビーでダークな描写で切り込み、発表当時のアメリカ社会に激震を走らせた意欲作です。

幼い頃に両親に捨てられ、2人きりで生き抜いてきたアフリカ系アメリカ人の兄弟・リンカーンとブース。 その名前の由来は、リンカーン大統領とその暗殺者ブースで、父親に冗談で名付けられたという兄弟だ。 兄リンカーンは、トランプ賭博スリーカード・モンテの凄腕ディーラーとして成功していたが、あることがきっ かけで、今は遊園地でリンカーン大統領の暗殺場面を演じ、客におもちゃの銃で撃たせることで生活費を稼 ぐ生活。一方、弟ブースは、万引き常習犯だが、かつて金と欲望を思いのままにしていた兄のようなディー ラーを夢見ている。そんな2人は、軽妙だが猥雑な言葉の応酬で、ふざけ合い、じゃれ合い、共に運命を共 有してきた相手を思いやる裏側で、常に支配欲に突き動かされ、言葉の暴力さながら、罵倒し合い、見栄を 張り合い、嫉妬し合い、だまし合う・・・。そんな愛憎が入り混じった2人の関係は、長年の特別な「絆」によっ て危うい均衡を保っていたが、やがて静かに崩壊の足音が近づき、そして・・・・。

 「TOPDOGとUNDERDOG」  この相対する言葉をストレートに訳すならば、前者は勝者、勝ち組、成功者であり、後者は敗 者、負け組、敗北者という意味です。しかし、それぞれ使われるシチュエーションによって、少しずつ異なるニュアンスを帯 び、集団や国家、政治、社会の多くの場面では、TOPDOG=最高権力者、支配者、実力者、重要人物、金持ち、頭が切れる人、 抜け目のない人、UNDERDOG=被支配者、社会的弱者、社会的不正の犠牲者、勝ち目のない人、貧乏人 等々の意味合いで 使われ、そのニュアンスの中に、人間関係のパワーバランスが生み出すドラマが見え隠れします。本作品で言えば、ここで 描かれるリンカーンとブース兄弟の関係は、幼い頃に庇護してくれるはずの両親に切り捨てられた、いわばUNDERDOG同士。ところが、その速射砲のごとき会話の中で、UNDERDOGレベルでの「TOPDOGとUNDERDOG」の闘いが繰り広げられ、クルクルと上下関係が互いの間を目まぐるしくスイッチしていきます。まるで勝者と敗者の姿は表裏一体とでも言うような展開が、 最後にどのような結末へと突入していくのか・・・・実に目が離せません。また、堤真一×千葉哲也の真っ向勝負が、リンカーンとブース兄弟の目まぐるしいパワーゲームとどう呼応し、2人の盟友関係にどんな影響を与えるのかも見どころかもしれま せん。そんなパワフルかつデリケートな戯曲に、近年、その精力的な活動で、日本の演劇界に新風を吹き込んでいる気鋭の 演出家:小川絵梨子が取り組みます。アクターズスタジオ大学院演出部を日本人として初めて卒業し、アメリカの人種的、社会的なパワーバランスを身近に感じてきたであろう小川絵梨子の翻訳と演出アプローチに注目が集まります。そして、小川絵梨子という新しい才能との出会いを心待ちにしていた堤真一千葉哲也との組み合わせにも期待が高まります。
 シス・カンパニーにとって、2012年を締めくくり、2013年の幕開きを飾るTOPDOG/UNDERDOG には、多くの挑戦が待 っています。そのひとつが、東京の小空間で創った作品を初めて大阪福岡長崎の皆さんにお届けすることです。劇場は 異なりますが、シアタートラムで創り上げた濃密でスリリングな空気感を、大阪福岡長崎の皆さんとご一緒に、各地でなけ れば創り出せない手触り感のある作品にしていきたい、と願っています。是非、ご期待ください!

2001年7月に、ニューヨーク・シェイクスピア・フェスティバルの一環として、オフ・ブロードウェイのパブリック・シアターにて初演。演出は、同フェスティバルと同劇場の芸術監督でもあり、2度のトニー賞演出家賞に輝くジョージ・C・ウルフ。出演には、弟ブースに、「ホテル・ルワンダ」でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた名優ドン・チードル、兄リンカーンに、1994年「エンジェルス・イン・アメリカ」でトニー賞助演男優賞を受賞したジェフリー・ライトという実力派2人が顔を合わせ、センセーションを巻き起こした。その好評を受け、翌'02年4月にはブロードウェイ・アンバサダー劇場に移り、弟ブースを人気ラッパーで俳優のモズデフが演じ、リンカーン役のジェフリー・ライトは続投。そして、この開幕翌日に、ピュリッツァー賞戯曲部門受賞の報がもたらされた。また、同年のトニー賞作品賞ノミネートも受けている。


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