シス・カンパニー公演 鼬 いたち
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この公演は、2014年12/28(日)に全公演の幕を無事に下ろすことができました。
ご来場、誠にありがとうございました。
 昭和初期の東北の寒村を舞台に、土地の言葉で生き生きと力強く描かれた『いたち』は、日本の近代戯曲の中でも、屈指の名作と謳われた戯曲です。ここに登場するのは、ある旧家をめぐって繰り広げられる骨肉の争いの中でうごめく人間たち。 出てくる人間たちはすべて、腹の底に何らかのドス黒い思惑を抱き、業と欲にかられた姿を隠そうともせず、それを描く作者の筆致は、徹底的にリアルで赤裸々です。
 あらすじだけを聞けば、「人々の欲と思惑が交錯する陰惨な話」に響くかもしれませんが、彼らの言動が、そんな欲や思惑にまみれたものであったとしても、すべてに一本筋道が通っていて力強く、その目的は実に明快でアッパレなほど!その中でも、鈴木京香演じる「おとり」は、劇中で明かされる過去の悪事の数々も「超規格外」で、この登場人物の中でも、一番強欲な思惑を胸に故郷に戻ってきます。しかし、本人の語り口は極めて率直で、たとえそれが悪行であったとしても自らの力で人生を切り開いてきた自信と力強さにあふれ、常に自分が希求する人生の方向へグイグイと船首を向けて漕ぎ出していく彼女の実行力には、思わず"喝采"を送りたくなる説得力があります。
そんな彼女を突き動かしているのは、故郷への愛情からなのか、もしくは、<泥棒鼬!>と蔑まれた程度ではビクともしない図太い女の本性なのか・・・。この物語には、その真意を探るスリリングな要素もあり、これが80年前に描かれた戯曲だということを忘れさせるようなスピード感にも驚かされてしまいます。

 その「おとり」に憎しみをぶつける彼女の義姉「おかじ」を演じるのは、演劇界の至宝・白石加代子です。
白石と言えば、先日、22年に渡りライフワークとして手がけてきた「百物語」シリーズが、遂に大フィナーレを迎えたばかり。その圧倒的な集中力と屈指の表現力が、義妹への煮えたぎる憎悪と、母親としての苦悩をどのように描いていくのか必見の舞台です。また、映像でも大人気の高橋克実江口のりこ山本龍二峯村リエ佐藤直子塚本幸男、そして、赤堀雅秋 という演劇ファンを唸らせる面々が演じる登場人物たちも、一筋縄ではいかない泥臭い人物ばかり。この物語を骨太でリアリティに溢れたものにしている存在です。この実力派キャスト陣がタッグを組み、全編東北の言葉(設定は、福島のある地域の方言)で綴られた戯曲がもつ独特の世界観をどのように創り上げていくのか、期待感も大きく膨らみます。
 演出は、三好十郎「浮標」「冒した者」で、近代古典戯曲演出の手腕が高く評価された長塚圭史が担当。
自身の書下ろし作、翻訳戯曲、日本の近代古典等の意欲的な演出活動、脚本やエッセイ執筆、そして、俳優活動と多才さを存分に発揮してきた長塚が、どのようにこの異質の人間ドラマに向き合うのかにも、ご注目いただきたく存じます。
 シス・カンパニー2014年フィナーレを飾る舞台いたちにご期待ください。


 物 語 
昭和の初め。東北の街道筋の旧家「だるま屋」の当主である萬三郎(高橋克実)は、明治このかた落ちぶれた 家の借金に苦しんだあげく、老母おかじ(白石加代子)を残し、南洋へ出稼ぎに出て、もう三年も戻ってこない。
そんな中、すでに抵当に入った家屋敷の処分が始まり、同じ村の債権者である村人たちが集まってきて、 互いの欲をむき出しにして、だるま屋の古畳までも争って剥ぎ取るありさまである。おかじもいよいよ、家を追われ、馬小屋へ寝るはめに陷るところへ、
おとり(鈴木京香)という、この家の先代の娘であり、おかじには義理の妹にあたる女が、虚飾に満ちた風情で現れた。若い頃のおとりは、村の人々に不義理を重ねたあげく出奔したのだが、悪智惠と度胸を資本に各地をわたりあるき、今では羽振り良く暮らしをしているらしい。おとりを蔑んでいた村の人々も、 その出世を知って態度を変えはじめるが、十年前に相続争いで騒ぎを引き起こしたことを深い恨みとする義姉のおかじは、義妹を「泥棒鼬」と罵り、今度はどんなたくらみで戻ってきたのか、と怒り狂うのだが、当のおとりは、「生まれ故郷ほど せいせいすっとこは ねえなあ」と全く悪びれた気配はない。
おかじの怒りを冷笑しながら、おとりは、じつの甥であり、この家の当主である萬三郎が、まもなく南洋から帰国すると話し出した。
母親である自分も知らぬことを、なぜ、おとりが知っているのか・・・・。
果たして、おとりの狙いは何のか?!

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シス・カンパニー (03)5423-5906
番号はお確かめの上、お間違えないようおかけください。